
親子で市場を学ぶイベント「西区アグリ魚魚(ギョギョ)キッズ~田崎市場見学ツアー~」が8月4日、田崎市場(熊本市西区田崎町)で開催された。主催は熊本市西区。
「農水産業を生かしたまちづくり」を掲げ、地域資源を活用した体験活動を通じて地元農水産物の魅力を伝えることを目的に企画した。第1弾となる今回は「田崎市場見学」体験。当日は抽選で選ばれた市内の小学4~6年生とその保護者、15組34人が参加した。
5時50分に集合した参加者は、九州中央魚市や熊青西九州青果による競りを見学。専門的なやりとりに戸惑いながらも、取引の現場ならではの活気を体感した。その後、大海水産の活魚センターで水槽の魚を観察し、魚の種類や特徴について学習。子どもたちは実際に魚に触れ、その感触や動きに驚きつつも興味を示していた。
大海水産の冷凍庫も見学。マイナス25度に保たれた空間に入り、寒さとスケールに驚く様子が見られた。大海冷蔵工場事業部部長の福永義德さんは「塩さば、サンマ、アジ、モズクなどを保管している。1日30~40トンが入庫・出荷され、長いものだと2年くらい保管されている」と説明した。
ツアーの最後には、市場会館での講義を受けた。熊本地方卸売場総務部長の國徳健二さんが、水産物や青果が家庭に届くまでの流通の仕組みや、卸売市場の役割、2024年度の取り扱い実績などについて解説した。質疑応答では、競りで使われる道具や言葉、温暖化の影響による漁獲量の変化など、子どもたちから多くの質問が寄せられた。
中央区から参加した小学4年の黒田ちかさんは「学校で競りについて学んだことがあるけど、実際に見ると迫力があってすごかった。魚に触れたのが一番楽しかった」と笑顔を見せた。母のくみ子さんは「人と人とが直接やりとりする様子に熱気を感じた。貴重な体験ができた」と話した。