
建設業界における女性人材の定着が目的のセミナー「建築女子の健康セミナー」が8月13日、ホテル熊本テルサ(熊本市中央区水前寺公園)で開催された。主催は左官業のオオタ(熊本市東区若葉3)。
女性特有の健康課題に焦点を当てたセミナーは3部で構成。当日は、建設関連企業や行政の関係者、一般参加者合わせて約80人が来場した。冒頭でオオタ社長の真嶋浩さんが「経営者や現場責任者が女性の健康課題を理解し、働きやすい職場環境づくりを進めることが大事。業界の持続的な発展につながる契機にしていきたい」とあいさつした。
1部は、ジェイコム九州・健康プロジェクトチームが「女性特有の健康問題への理解」をテーマに発表。「建設業の職場で困った経験がある」と答えた女性が半数を占める調査結果を女性労働力人口が1985(昭和60)年から2024年にかけて757万人増加し、労働力人口に占める割合も5.4%増えたという統計と合わせて紹介し、相談体制や働きやすい職場環境の整備が必要と訴えた。
2部では、熊本県労働雇用創生課が県の就職支援施策を紹介。若年層の建設業就労支援や、女性の就業継続を後押しする取り組みについて説明した。
3部では、「建築女子への理解、必要な配慮」をテーマに、意見発表・意見交換を行った。パネリストは、守平建設社長の守田香織さん、岩永組工事部主任の坂崎麻友さん、オオタの左官職人・岩見萌華さんの3人。コーディネーターを福田病院長の河上祥一さんが務めた。「少子高齢化で人手不足が深刻化する中、女性の活躍は業界の成長に不可欠」「女性の健康課題に配慮できる企業こそ、若い世代から選ばれる」などの意見が交わされた。
河上さんは「本日の議論を受け、検診助成制度の導入や健康相談窓口の充実を進めたい」と話す。