
「北区防災講演会」が9月6日、植木文化ホール(熊本市北区植木町)で開催された。
主催は熊本市北区で地域の防災力向上を図るのが狙い。校区防災連絡会、北区在住の防災士と消防団員を中心に約260人が参加した。
冒頭で、北区長の吉住和征さんが「先日の大雨で被害を受けた人々に心から哀悼の意を表したい。被災者支援に尽力するとともに、顔の見える関係づくりを通じて地域防災を進めていきたい」とあいさつした。
講演テーマは「地域防災とまちづくり」。山口大学大学院創生科学研究科准教授で、総務省消防庁消防大学校客員教授の瀧本浩一さんが講師を務め防災と減災の違いを解説した。災害時については「自助ができてこその共助」と強調。災害ハザードマップを見ただけでは意味がなく、備えや準備を想定して実行することが大切」と話し、家具の転倒防止や耐震補強など家庭での備えを促した。
防犯と防災を分けずに地域活動に取り入れる工夫や、災害ハザードマップの再認知、住民主体の地域防災マップ作り、避難訓練の改善例なども紹介。「季節ごとの暑さや寒さを意識した準備も必要」と強調した。
聴衆の一人・寺崎陽子さんは「防災と減災の違いが分かりやすく、すぐに行動につなげたいと思った。自宅でも備蓄品などを確認したい」と話す。