
「昭和100年、戦後80年 マッド・アマノ パロディ個展」が9月13日、ギャラリー キムラ(熊本市中央区水道町)で始まった。
マッド・アマノさんは1939(昭和14)年生まれの86歳。東京芸術大学卒業後、会社員を経てグラフィックデザイナー、パロディストとして活動を続けてきた。著書に「パロディって何なのさ」「狂告の時代」「パロディ主義」などがある。妻が熊本市出身で、今回が熊本で初めての個展開催となる。
テーマは「人類は進化しているか?」。時の総理大臣や米国大統領、絵画や写真を題材にした新作を含む約30点を展示。アマノさんは「人をおとしめるのではなく、権力者への抵抗や社会への問いかけがパロディー。無関心ではなく、疑問を持つきっかけにしてほしい」と話す。
作品の背景には幼少期の戦争体験もある。「終戦を迎えたのが6歳。空襲や疎開の記憶を作品の根底に持ち続けている。戦争の悲惨さを次世代に伝えるのが使命」と強調する。
アマノさんは「世の中が便利になり、人間は進化してきたと言われるが、精神的に進化してきたかは疑問。逆に、世の中の動きなどに無関心な人が増えて、危険な状態になっている。作品を見ることで、自分事として考えてもらうきっかけになれば」と期待を込める。
開館時間は11時~17時。入場無料。23日14時から、アマノさんが講演を行う。今月28日まで。