
「ベジタリアン・ビーガンなどの多様な食文化対応セミナー&試食会」が9月11日、熊本市食品交流会館(熊本市北区貢町)で開催された。主催は熊本市観光政策課。
熊本市では昨年、外国人入り込み数が初めて100万人を突破。約3割を台湾からの客が占める。熊本市観光政策課の光安林太郎課長によると、台湾ではベジタリアンやビーガンの人口比率が12~13パーセントに上るとされ、観光受け入れにおける食文化対応の重要性が高まっているという。多様な食文化やその受け入れへの理解を得ることを目的に、セミナー&試食会を開いた。
当日は、ベジタリアンやビーガン、ハラールなどについての理解を深めてもらうため、食に関する勉強会と実際にビーガン料理を提供するシェフによる試食会を用意。飲食店や宿泊施設など食分野に関わる事業者など34人が参加した。
セミナーでは、食の多様性対応を支援する「フードダイバーシティ」(東京都)社長の守護彰浩さんが登壇。「台湾素食・ビーガン・ハラールの基本と現場対応へ」をテーマに講演し、「認証がないから対応できないのではなく、できることを明確にし、外国人に分かりやすいメニュー表記への工夫が必要」と強調した。
試食会で講師を務めたのはビーガンレストラン「菜道」(同)の楠本勝三さん。「とんこつラーメン」「カツカレー」「マーボー豆腐」「黒糖ドーナツ棒」「ハラール牛雑炊」」「ローストビーフ」をビーガン仕様で提供した。参加者は、調理の工夫や味の再現方法について説明を受けながら試食した。
光安課長は「現場で外国人に接する事業者に多様性への理解を深めてもらうことが大切。看板や通訳などの環境整備も含め、市として受け入れ体制を充実させたい」と話す。