
「第37回バイオ市民公開講座」が9月27日、桜の馬場城彩苑・多目的交流室(熊本市中央区二の丸)で行われる。主催はバイオテクノロジー研究推進会。
環境、医療など生活に密着しているバイオテクノロジー分野について、正しい情報発信と多くの人に関心を持ってもらうのが狙い。1988(昭和63)年から市民公開講座として毎回テーマを決め開催してきた。今回のテーマは昨年に続く「発酵」で、第2弾として醸造文化の歴史に焦点を当てる。
講演タイトルは「永青文庫が語る 知られざる醸造の歴史」。講師は熊本大学永青文庫研究センター特別研究員の後藤典子さんが務める。江戸時代初期、細川家が1627年から6年間にわたりぶどう酒を造っていたことが永青文庫の古文書から明らかになっており、その背景や技術、なぜ製造が続かなかったのかなどを解説する。原料にはヤマブドウが使われ、製法は門外不出とされていたことも紹介されるという。
同会会長の寺本祐司さんは「発酵文化は日本人に深く根付いているが、西洋の発酵食品であるワインが江戸時代初期に製造され、細川家も関わっていたことは大きな発見。バイオテクノロジーというと『遺伝子組み換え』『クローン』など先端技術が注目されがちだが、食品や農業など生活に密接した分野にも広がっている。今回の講座を通して関心を持ってもらえれば」と呼びかける。
開催時間は13時30分~15時。入場無料。定員は100人(事前申込制)。