
熊本市西区主催の「避難所運営に係るワークショップ」が10月2日・3日、西部環境工場(熊本市西区城山薬師2)で開催された。
地域の防災意識の向上や、災害発生時の円滑な避難所運営の構築を目的に行った。2日間で西区の避難所運営担当職員や各避難所運営委員ら合わせて171人が参加した。
研修は、「Life+LIfe laboratory」代表の松村直子さんを講師に招き、両日とも2部構成で行った。1部は「みんなの避難所づくり」がテーマの講演。避難所の国際基準と日本の法令に基づく定義を説明してもらったほか、東日本大震災での避難所運営スタッフの事例から、当事者が現場で直面した課題や解決の工夫を紹介してもらった。
2部は「避難所を想定したワークショップ」。地域ごとに6~8人の班に分かれた参加者が指定施設での避難所開設・運営を想定して演習した。立ち入りエリアの設定や部屋の用途分け、運営ルールの策定などを進め、松村さんから配布された「避難生活中の困りごとカード」を基に意見を交換。最後に「全員参加」「思いやり」「おもてなし」「用意周到」など、班ごとに運営のキーワードを発表した。
「いつ起こるか分からない災害だからこそ、災害を想定した学びが必要。このような研修を通して地域の連携をさらに強化していきたい」と西区総務企画課長の中村文治さん。松村さんは「避難所運営に関わる上で、まず重要なのは自助。大切なのは自身が被災する可能性も想定し、日頃から備えを整えること。今回の話し合いを基に実際の訓練につなげてほしい」と呼びかけた。