JR九州・熊本駅(熊本市西区春日3)の在来線改札内1階に10月22日、大型ステンドグラス作品「肥後のいろどり」がお目見えした。
作品は、ドイツの職人が手吹きで作るアンティークガラス42色・1031枚を使った縦4メートル、横3.2メートルのステンドグラス。LED照明を内蔵し、熊本を象徴する肥後六花(肥後椿・肥後菊・肥後シャクヤク・肥後山茶花(サザンカ)・肥後花ショウブ・肥後朝顔)や熊本城、通潤橋などの名所を描く。
原画を手がけたのは、熊本の染色工芸家・高津明美さん。制作は、熊本地震からの復興が進む故郷をアートの力で盛り上げたいという思いを受け、全国の駅や空港などに芸術作品を設置する日本交通文化協会とJR九州が「パブリックアート」事業の562番目として進めた。地元企業・団体41者の協賛に加え、クラウドファンディングを活用。4年がかりで完成した。
当日の除幕式には、関係者ら約50人が参加。「熊本地震で工房も大きな被害を受けた。復興が進む今だからこそ、熊本の多彩な魅力を表現したかった。熊本駅の新たなシンボルとして、多くの人に感動を届けたい」と高津さん。JR九州の古宮洋二社長は「1日約3万5000人が利用する熊本駅に芸術作品が完成してうれしい。熊本の魅力が詰まった作品を多くの人に見てもらいたい」と話す。