日吉東小学校(熊本市南区近見5)で10月23日、「水防災教育」授業が行われた。主催は国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所。
同事務所では、行政だけでなく流域内の企業や住民が一体となって水災害を減らす「流域治水」に取り組んでおり、今回の授業はその一環。地域の将来を担う子どもたちに水防災への関心を高めてもらうことを目的に、総合学習の時間に行った。
4年生児童71人が参加し、白川流域の特徴や1953(昭和28)年の「白川水災害」など、地域で起きた過去の洪水被害を題材にした講義を受けた。洪水時の行動についてクイズ形式で学んだほか、当時の被害状況を再現したAR映像も体験。児童たちは映像を見ながら「こんなに水が来るなんて」と驚きの声を上げていた。
後半では、水圧を再現した「浸水ドア体験」や、降雨量の違いを体験できる「降雨体験」など、体験型の防災学習を行った。「ドアが開かずに驚いた」「雨の強さの違いがよく分かった」といった感想が聞かれた。
熊本河川国道事務所流域治水課の宮崎純志専門官は「子どもたちが地域の水害を自分事として考えるきっかけになれば。今後も連携を深めながら、流域治水の取り組みを広げていきたい」と話す。