バイオテクノロジー分野の高校生研究コンテスト「第34回 バイオ甲子園 2025」が11月15日、くまもと県民交流館パレア(熊本市中央区手取本町)で開催され、徳山高校(周南市)が最優秀賞を受賞した。
同大会は、バイオテクノロジー研究推進会と日本生物工学会九州支部が主催。1993(平成5)年に「高校生によるバイオ研究発表会」として始まり、人材育成を目的に毎年熊本で開催している。現在は「バイオ甲子園」として大会名を改め、研究成果や考察、今後の展望を発表するコンテスト形式で審査している。
今年は九州・中国・関西・関東から11府県21校がエントリー。書類選考を通過した徳山、済々黌、熊本学園大学付属のほか、高松農業(岡山)、倉吉農業(鳥取)、徳山(山口)、中部農林・球陽(以上沖縄)、小倉(福岡)、池田(鹿児島)の計9校が研究発表を行った。
審査は食品、環境、生態、農業、畜産、水産、遺伝、化学など、バイオテクノロジーに関連する基礎から応用まで幅広いテーマが対象となった。
最優秀賞に選ばれた徳山高校は、「廃棄物(イカの甲)を用いた生分解性プラスチックの開発~イカでイカを釣る~」をテーマに発表。漁業が盛んな地域で課題となっている海洋ごみ問題に着目し、大量に廃棄される「イカの甲」に含まれるキチンを利用した生分解性プラスチックの作製に挑戦した。生成物をイカ釣り用資材として活用できないかも検証したという。
審査委員からは「世界的課題であるマイクロプラスチック問題の解決に寄与する可能性がある」「基礎から応用まで丁寧に検証されている」「エコでユニークな研究」「発表・質疑も優れていた」などの評価が寄せられた。
大会後は、参加校同士が研究内容について意見交換を行い、交流を深めた。