「NPO組織基盤強化講座」が12月11日・12日、熊本市市民活動支援センター・あいぽーと(熊本市中央区大江5)で開催された。
あいぽーとは、市民や団体の公益活動を支援する拠点として、打ち合わせや情報発信、ボランティア登録・相談、交流事業などを展開している。今回の講座は、NPOの活動の幅を広げるため、組織基盤をどのように強化していくかを考えてもらう同施設の主催事業として企画。当日はNPO法人の理事やスタッフなど約20人が参加した。
講座のテーマは「組織活性化に向けた『私たちの〇箇条』づくり」。講師には、NPOの組織基盤強化に関するコンサルティングなどを手がける「office musubime(オフィス・ムスビメ)」(大阪府)の河合将生さんを招いた。
組織が活性化している状態とは何かを紹介した上で、活性化が進まない要因とその背景について参加者と意見を交わしながら整理した。参加者は自身の団体の活動内容や提供している価値の棚卸しを行い、付箋に書き出して模造紙にまとめるワークを行った。河合さんは「棚卸しした後、どんな組織にしたいのかをイメージし、3カ条にまとめることが重要。多すぎても少なすぎても弊害が出る。3カ条の中で、その団体らしさが伝わるようにしてほしい」と説明した。組織・事業・財務の3部門それぞれの成長を意識する必要性についても触れた。
「理想のNPO組織をどのように作っていけばよいか」という質問には「団体によって規模や課題が異なる。3カ条を作ることで、立ち上げ当初の初心に立ち返ることもできる。正解を出すことよりも、作るプロセスが大切」と応じ、参加者同士の意見交換を促した。参加者は戸惑いながらも、自身の団体の強みや今後の方向性について真剣に考えているように見えた。
センター長の永田賢正さんは「地域や行政の取り組みの中で、専門性を持つNPOとの連携の必要性は年々高まっている。一方で、組織基盤が十分に整っていない団体も多い。今回の講座を通じて、団体の魅力や強みを再認識してもらえたのでは。今後もこうした支援事業を増やしていきたい」と話す。