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熊本市西区で「防災シンポジウム」 災害発生時の行動計画テーマに

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

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 「西区地域防災シンポジウム」が2月1日、西部公民館(熊本市西区小島2)で開催された。

講演会の様子

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 主催は熊本市西区。地域の防災力向上を図るのが狙い。テーマは、災害発生時の行動計画を時系列で考える「タイムライン」。校区防災連絡会、自主防災クラブ、町内自治会、西区在住の防災士と消防団員、行政職員など149人が参加した。

 シンポジウムは2部で構成。冒頭では、西区長の石坂強さんが「災害時に迅速に対応できる地域連携について学び、災害に強いまちづくりに生かしてほしい」とあいさつした。

 1部ではタイムライン防災について、東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センター客員教授で2013(平成25)年に「タイムライン」を日本に初めて持ち込んだ松尾一郎さんが講演。「地球温暖化などの結果、自然環境は年々悪くなっていて、その結果災害も続いている。自然環境を元に戻すことは難しいので、災害を想定して自分たちでどう乗り切るかあらかじめ考えておく必要がある。災害は自分たちの住む地域で起こるからこそ、地域コミュニティーが大事になる」と話した。

 続く2部は今回のテーマに基づき、意見発表・意見交換を行った。パネリストは、それぞれの地域で実際に活動している池田校区防災連絡会会長の吉村次郎さん、池上校区第2町内自主防災クラブ副会長の清田重信さん、中島校区社会福祉協議会会長の藤原通隆さん、第47分団女性消防班班長の古川久仁子さんの4人。アドバイザーを松尾さんが務めた。熊本大学工学部土木建築学科教授の竹内裕希子さんも加わった。

 シンポジウムを終えた松尾さんは「時間がたつと記憶が薄れていく。記憶を風化させないためにも、災害の経験を語り継いでいかなければならない。タイムラインはあくまで道具で、完成したそれぞれの行動計画を紙に残すことが目的ではない。タイムラインを通じて、住民自身がまず考え、地域で意見交換をするなど平時から人とのつながりを大切にしてほしい」と話す。

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