
白川の「緑の区間」(熊本市中央区新屋敷)の河川改修事業完了の竣工式が4月26日に行われた。
大甲橋から明午橋まで約600メートルの同区間。甚大な被害を受けた1953(昭和28)年6月の白川大洪水。早急な河川改修が求められたものの、白川はこれまでに大きな洪水を引き起こし、市中心市街地も被害を受けてきた。市中心市街地に近い同区間は堤防がなく、川幅も狭かったため、水害のリスクが高いとして1986(昭和61)年に国が改修計画を発表。住民の意見を踏まえた整備を行うため、白川流域住民委員会を立ち上げ、専門家の意見なども交えながら検討会を重ねてきた。2006(平成18)年、整備に着手し、今年3月、全工事が終了した。
竣工式には、河川の利活用に取り組む「緑の区間利活用推進協議会」関係者、国交省や行政、地域住民ら約80人が参加した。冒頭、国交省水管理・国土保全局の藤巻浩之局長が「当区間は両岸が緑に囲まれ、立田山の風景を楽しめる『森の都くまもと』を象徴する景観の一つとして親しまれている。景観と治水の両立という課題に慎重に対応するため、段階的な整備を行い、今日を迎えた。白川夜市など水辺空間の有効活用も行われており、これからも安全対策と利活用を図ることで地域が元気になれば」とあいさつ。木村敬熊本県知事は「河川整備は県政の重要課題として取り組んできた。水を含めた資源を大事にし、中心市街地の活性化にもつなげていきたい」と話した。その後、関係者によるテープカットが行われた。
当日は、「白川昼市」と題したマルシェも同時開催。さまざまな飲食店や物販店が並び、本部横のステージでは音楽ライブを行った。ステージ前では、多くの来場者が食事をしながら音楽を楽しんでいた。