大学生を対象にした「LIFE/CAREER DESIGN ワークショップ」が12月9日、熊本大学教育学部東棟で開催された。主催は熊本県。
県が進める「こどもまんなか熊本」の取り組みの一環として健康福祉部子ども未来課が、若者が自分らしい将来を考えるきっかけづくりを目的に企画した。当日は、県内の熊本大学、熊本県立大学、熊本学園大学、九州ルーテル学院大学、崇城大学、熊本保健科学大学から約40人の学生が参加した。
子ども未来課の緒方雅一課長は「県として結婚支援に取り組む中で、若者から『人生について大人から教わる機会が少ない』という声を多く聞いた。まずはライフデザインやライフプランについて考える場を提供したいと考えた」と開催の背景を話す。
「お金・仕事・人生の『リアル』を知ろう」をテーマに2部で構成。講師は、学校や企業の組織変革や人材育成支援を手がける「リンクアンドモチベーション」(東京都中央区)の齋藤拓郎さんが務めた。
1部では「ライフデザイン」をテーマに、人生100年時代におけるキャリアや暮らし方について講義。齋藤さんが「人生設計と聞いて何を思い浮かべるか」と問いかけると、学生からは「今は深く考えていない」「30歳までにやりたいことはある」「就職後に考えたい」などの声が上がった。
講義では、就職、結婚、出産、資産形成といったライフイベントに関する基礎知識を紹介。日本では100歳まで生きたいと考える人の割合が諸外国より低いことや、個人金融資産の伸びが米国に比べて小さいといったデータも示した。終身雇用が前提ではなくなった現在、主体的にキャリアや資産形成を考える必要性を伝えた。
2部では、自身の現在地を見つめ直し、今後の「キャリアデザイン」を考えるワークを行った。学生はライフキャリアプランニングシートに記入し、これまでの経験や価値観を整理しながら、現時点での自分なりの将来像を描いた。
齋藤さんは「ライフデザインは、理想の暮らしに向けた地図づくり。漠然と不安を感じる人も多いが、国や企業に依存するのではなく、自分で考え行動することが大切。今回のセミナーを通して、少しでも前向きに人生を考えるきっかけになれば」と話した。