周辺一帯で細川家の文化的偉業を伝えるイベントが開かれている水前寺成趣園(熊本市中央区水前寺公園)で、11月27日・28日の2日間、築庭350年を祝う「350年祭」が開催される。
水前寺成趣園350年祭、さまざまな関連イベントのパンフレット
同園の面積は約7万3000平方メートル。通称は水前寺公園。豊富な阿蘇伏流水が湧出して作った池を中心にした庭園で、築山や浮石、芝生、松などの植木で東海道五十三次の景勝を模したといわれ、肥後細川家5代目細川綱利公によって1671年に完成した。
11月27日は、熊本城ホール(中央区桜町3)で肥後細川家、綱利公の偉業や人物像に迫る講演会やシンポジウムを開催。翌28日は、狂言や流鏑馬などの伝統的な行事を行い、肥後細川藩と赤穂浪士との深い縁から、兵庫県赤穂市長が来場するほか、赤穂浪士による義士行列も予定する。
熊本市コンベンション協会の山本大介さんは「熊本で文化・芸術分野が発展し、現在にも継承されているのは細川家の保護の影響が大きい。その代表的な偉業である水前寺成趣園は熊本城と並ぶほど評価されるべきだと思っているが、その本来の価値をなかなか理解してもらえなかった。まずは地域の人たちに水前寺成趣園、細川家の素晴らしさを知ってもらいたい」と話す。
同協会では地域住民と協力し、水前寺成趣園のそばに「水前寺肥後細川文化発信拠点・湧水亭」(中央区水前寺公園6)を10月にオープン。貴重な品々を展示するほか、細川家歴代当主を紹介している。
「子どもにも分かりやすい表現を心掛けた。小さいころから地元の歴史や偉人に興味を持ってもらい、今後400年、500年と伝統や文化を守っていく基礎を作れれば」と山本さんは話す。
11月28日、水前寺成趣園は入園無料となる。湧水亭の開館時間は9時~16時30分。入館無料。水曜休館(祝日の場合は翌日)。