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熊本城ホールで「観光経営塾」 定着する宿について学ぶ

講義する久保田さん

講義する久保田さん

 観光関連業界の経営力強化を目的にした「観光経営塾」が9月10日、熊本城ホール(熊本市中央区桜町)で行われた。主催は熊本県観光文化部観光振興課。

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 県が観光関連・食料品関連事業者を対象に開くプログラムで、採用やマーケティング、経営戦略など幅広いテーマを扱う。今回は観光業界の人事担当者向けの実践セミナーとして、「人が集まり、定着する宿はどうつくられるのか」をテーマに開いた。当日は観光関係者ら17人が参加した。

 講師を務めたのは、志戸平温泉(岩手県)社長の久保田剛平さん。社員も客も幸せになる経営の取り組みを話した。岩手県花巻市で1830年に創業した同社は、団体客をターゲットにした大型温泉旅館として発展したが、2000年代以降の旅行需要の個人シフトや過去の過大投資が響き、債務超過に陥った。2018(平成30)年に私的整理を経て第二会社方式で再生した経緯を紹介した。

 久保田さんは、再生に当たり宿泊事業の内容を見直し、粗利率の高い宿泊個人客向けビュッフェに経営資源を集中させたことを説明。「宿泊業界の成功の鍵はファン(リピーター)を増やすこと」とし、顧客のペルソナとコンセプトを明確にしたサービスづくりの重要性を伝えた。

 事業承継を機に「会社は何のためにあるのか」を問い直したという久保田さん。「わが社は、従業員みんなの幸せとともに客の感動を創造し続ける会社として、人も地域も元気にしていきます」との経営理念を掲げたことを紹介し、2035年に向けたビジョンとして「東北を代表するリゾートブランド」への進化を目指す方針を示した。

 質疑応答では、参加者から「広告展開を自社でどうやって行ったのか」との質問があり、久保田さんは「自社で顧客情報をしっかり管理して活用することが大事。楽しんでもらえる体験を用意し、特にリピーターへのアプローチを強化した」と話した。

 最後に、企業理念を基に主体的に考え行動する社員を増やすことが大切だとし、社員同士が気軽に意見交換できる環境が企業の競争力を強めると説明。「戦略とセットで目的と理念がないといけないし、理想だけでなく行動につなげないといけない。仕事の目的一つ一つに意味があることを自覚し、楽しく続けていける職場にしたい」と話した。