エシカル雑貨とオーガニック食材の量り売り専門店「amane」(あまね)が営業を始めて半年がたった。同店は店舗を持たず、オーガニック食材や洗剤、エシカル雑貨などを移動販売とポップアップで販売する。
店主の渡邊最愛(まな)さんは、コロナ禍前までワーキングホリデーや留学制度を活用しアメリカやオーストラリアで数年間暮らした経験を持つ。海外で暮らす中で、ごみの減量や環境保護などオーストラリア人のエシカルな意識の高さに驚き、刺激を受けたという。「オーストラリアでは、日常の買い物の選択肢としても量り売りが定着しており、過剰な包装やプラスチックだらけの日本の暮らしに『このままでいいのだろうか』と危機感を覚えた」と渡邊さん。自身の経験の中で、環境に寄り添う暮らし方を伝える方法が「エシカル雑貨やオーガニック食材の量り売り専門店だった」という。
同店では、自分で持参した瓶や(プラスチックの)食品保存容器などに必要な分だけを量り購入する方式。容器がない場合でも店内に洗浄した瓶なども用意する。商品は、玄米、南阿蘇のハーブティー、オリジナル配合のスパイスグラノーラやナッツ類、長崎産の塩などオーガニックの食材や、洗濯洗剤の代用となるソープナッツ、竹炭と水のみでできた洗剤などを中心に販売する。売り上げが環境団体に寄付される歯ブラシなどのエシカル雑貨も用意。オリジナルのグラノーラやソープナッツは固定客に人気で、ポップアップの度に遠方から来店する客もいるという。
「日本では、買い物に行くと野菜一つでも包装してあるものばかり。一つ一つの物に意識を向けて立ち止まって考え、『必要な量を必要な分だけ』購入するようになれば、自然に環境への取り組みにつながっていく。量り売りという小さなことから楽しんで参加してほしい。当店が、環境への意識づけのきっかけになれれば」と渡邊さん。「今後は地産地消の商品も充実させる予定」だという。
現在は、熊本市内のカフェなどで定期的に移動販売している。出店予定はインスタグラムで知らせる。