コーヒー豆の通信販売を手がける「NATURAL COFFEE(ナチュラルコーヒー)」(熊本市北区下硯川町、TEL 096‐274-1088)が10月31日で30周年を迎えた。
「30年よりもっと前から先代が通販を行っていたが、現在の屋号である『ナチュラルコーヒー』になったのが30年前の1994(平成6)年10月」と社長の益田聖司さんは話す。
当時はフェアトレードを軸に、スリランカでコーヒー栽培をする人を支援する目的で始まったという。「スリランカの農家の人たちを支援し、農業作業の環境や生活環境を整えていき、コーヒー豆を適正な価格で購入することで自立を促していった」と振り返る。
通販を専門に行ってきた同社だが、熊本地震では当時借りていたテナントが被災し、一時的に営業が困難な状態に。建物は倒壊してしまったが、使える道具や商品を引っ張り出し、土地を所有していた現在の場所にとりあえず資材等を移動させた。
同所が熊本市内に向かう主要道路に面していたことと水が使えたことから、「熊本にボランティアに来る人や物資を運ぶ人などに少しでも恩返しがしたい」と、通りで無料コーヒーの配布をしたという。
「コーヒーを飲む人の笑顔がうれしくて、自分たちが販売するコーヒーをもっと知ってもらいたい」という思いから、熊本地震の翌2017(平成29)年4月にカフェを開いた。
益田さんは「先代がフェアトレードで始めたコーヒー豆の通信販売で始まり、今は通販とカフェの営業を行うようになった。一番大切にしていることは『続ける』こと。生産者とも、お客さまとも、人と人とのつながりをずっと続けていけるような仕事をしていきたい」と話す。
営業時間は9時30分時~19時。日曜・祝日定休。