フレンチレストラン「TSUJIYA(ツジヤ)」(熊本市中央区南坪井1、TEL 070-8909-0371)が熊本・南坪井にオープンして、5月6日で1カ月がたった。
店主の辻勝也さんは横浜出身の28歳。調理師専門学校のフランス校で学び、東京、鎌倉、名古屋で料理人として経験を積んだ。「妻が熊本出身で、何度か訪れるうちに熊本の食材に魅了されていった」と振り返る。
店名は、曽祖父が営んでいた甘納豆店の屋号「ツジヤ」を引き継いだ。店のロゴは、自身の家紋をアレンジしてデザインした。「フランス料理は、基本と伝統を守りながらも、新しいものを取り入れる柔軟さを持つ。店名とロゴにも、古いものを大切にしながらイノベートしていきたいという意味を込めた」という。
同店で使う食材のほとんどが熊本県産。「気になるものがあれば直接生産者の元を訪れ、どのような思いでどのようにして作られているのかなどについて対話して、直接取引している」と辻さん。料理の主役となる食材だけではなく、調理にも「堀内製油」(氷川町)の「地あぶら」を使うなど、可能な限り熊本県産にこだわる。
メニューはコースのみ。「その時期、その日に一番いいと思える食材で組み立てる」という。コースは、熊本・南関町の名産品「南関揚げ」と馬肉を使ったタルトレット、軽い口当たりに仕上げた郷土料理のからしレンコン、熊本県をかたどったチュイルを一皿に載せたアミューズで始める。コースの締めとなるドリンクには、「Herb&Rose」(菊陽町)のフレッシュハーブを使った、オリジナルブレンドのハーブティーを用意する。
辻さんは「熊本には、魅力的なのにあまり知られていない食材がたくさんある。料理を通じて熊本の『食材の素晴らしさ』と『食文化の面白さ』を知ってもらう場所にしたい。何度食べに来ても新しい発見ができるよう、おいしい料理で熊本の食材を発信していきたい」と意気込む。
営業時間は、ランチタイム=12時~、ディナータイム=19時~。一斉スタート。完全予約制。月曜定休。