上通の「OMOKEN PARK(オモケンパーク)」(熊本市中央区上通町7)で9月16日、「社会課題解決への取り組み」をテーマとしたイベントが開催された。
主催は「SOLIT!」(東京都渋谷区)社長の田中美咲さん。同社は2020年9月設立。1周年を迎えるに当たり、田中さんが特に関心を寄せる「社会課題」をテーマにした公開作戦会議を実施。会場には、熊本県内から15ほどのの参加者が集まった。「作戦会議」とは「個人が持つ社会への問題点を提示し、みんなでその解決策を考え、対応策を『作戦』と捉え、個人の日常の課題に再び生かす」ことだという。
登壇したNPO法人「グリーンズ」(東京都千代田区)共同代表の植原正太郎さんは、東京から阿蘇に家族で住まいを移し暮らし始めた。東京ではなく地方でも仕事ができる立場として、これからの地域ニーズについて発言。同会場の運営をする面木健さんは仕事とプライベートの活動の両立を紹介。双方がつながることで、どちらにもいい影響を与えており、多様性を重視する立場から発言。一般社団法人「BRIDGEKUMAMOTO」(中央区新町2)代表理事の佐藤かつあきさんは、復興支援とデザインを重ね合わせた事業を展開。防災の観点から田中さんと親交があり、デザインの専門家として発言。「社会課題」の中でも、特に「持続可能な社会にしていくために必要なこと」をテーマにクロストーク。佐藤さんは「新しい生き方を探し、本当の豊かさとは何かを考えるフェーズに来ている。以前よりも、さまざまなコミュニテティーに所属することができるので、次の世代につないでいくためにいろいろな事例を作っていくことが大事」と話す。
最後に田中さんが「公開作戦会議でいろいろな考え方を提案できた。ただ、個々の考えが違う以上、最終的にこうすべきだという答えは出ない。大事なのは答え探しではなく、問いを探すこと。そのためには学び続けていく努力が必要」と結んだ。
参加者の一人は「2時間があっという間だった。考えさせられることが多いトークセッションだった。また開いてほしい」と期待と込める。パネラーの面木さんは「コロナ禍で心配したが、来てくれた人が最後まで熱心に聴いてくれて良かった」と声を弾ませていた。