「第36回バイオ市民公開講座」が9月28日、桜の馬場城彩苑・多目的交流室(熊本市中央区二の丸)で開催された。
主催はバイオテクノロジー研究推進会で、「バイオテクノロジー」に関心を持ってもらい、正しい知識を普及させるのが狙い。1988(昭和63)年から市民公開講座として毎回テーマを決め開催してきた。今回は「日本が誇る熊本の発酵食品」をテーマに130人が参加した。
演題は「味・色・香りはなぜ変わる?発酵にかかせない微生物のハタラキ」で、熊本県産業技術センター・食品加工技術室の佐藤崇雄さんが講師を務めた。発酵の定義や歴史、発酵に欠かせない微生物、発酵食品などについて紹介。発酵と熟成、腐敗の違いとメカニズムについても分かりやすく説明した。製品開発など自身の活動を伝えたほか参加者からの質疑にも応じ、終始和やかな雰囲気で講座を終えた。
佐藤さんは「日本貿易振興機構(JETRO)がまとめた資料によると、世界の発酵食品の市場規模は2021年に約600億ドルで、2030年までには約1,300億ドルに達すると予想されている。熊本でも発酵食品を海外へ紹介する取り組みがなされ、九州でも企業、大学、公設試験場、行政との連携も進む。これからも、日本の発酵技術・熊本の発酵食品の素晴らしさを伝えていければ」と話す。