熊本・西区河内町で「アースバック」を使う建築を学ぶ「アースバック建築ワークショップ」が10月1日~8日に開かれ、「アウトドアフィールド のんねむ」(熊本市西区河内町白浜)に全国から23人が参加した。
主催は日本アースバック協会。同団体は2011(平成23)年に発足し、年に数回アースバック工法のワークショップを開いてきた。
アースバック工法とは、米カリフォルニア州発の新しい工法で、ロングチューブ袋に混合土を詰めてたたき積み上げていくシンプルな技術。材料の主は土のため作りたてから強くなり、解体後も自然に帰る仕組み。
当日は、中学生から68歳まで幅広い世代が、九州を中心に全国から集まった。新規14人と9人のOB・関係者の総勢23人が、実技や座学を繰り返しながら建築の基本を学んだ。
イギリス出身で名古屋在住のホワイト・デイビットさんは「3年前にアースバック建築に興味を持った。今年4月に初めて参加し、今回はボランティアとして参加した。環境に優しく、自分の好きなデザインで建築できるアースバック建築は、これからの時代に合っていると思う。ゆくゆくは自分で一から作りたい」と話していた。
同団体代表の中野紘志さんは「元々は海外から入ってきた技術だが、そこに日本独自の土の文化を取り入れて新たな形にした。コロナの影響で生き方を見直す人が増え住居に対する考え方も変わってきている。環境に優しくて災害に強く、曲線の柔らかさが魅力のアースバック建築を、これからも広めていきたい」と話す。
同団体プロデューサー兼デザイナーの小堺康司さんは「今回のワークショップでは、限りなく自然に近い形にこだわった。土や消石灰、にがりを混ぜたものを麻袋に包んで積み上げていく製法を初めて試みた。これからも試行錯誤を重ねながら、たくさんの人に技術を継承していきたい」と話す。
「アースバック建築ワークショップ」は年に数回開いている。詳細はホームページで確認できる。