「防災講話&サバイバルメシタキ講座」が11月16日、飽田公民館(熊本市南区会富町)で開催された。
過去の災害を学ぶ講義と、災害時を想定した体験型ワークショップを組み合わせた防災企画。当日は飽田防災士の会のほか、大学生、公民館職員、行政関係者など24人が参加し、人とのつながりや協力の大切さ、地域でできる防災行動について考えた。
講座は2部構成。1部では、飽田防災士の会の野村興造さんが「災害で犠牲者を出さないために~過去の災害と教訓に学ぶ~」をテーマに講演。熊本市や同地域で過去に発生した災害を当時の写真を交えて紹介し、手製の紙芝居で津波の被害を伝える取り組みなども説明した。野村さんは「前が大丈夫だったから今回も大丈夫、という考えは災害時には通用しない。被害を最小限にするためには、過去の記録を忘れない努力が必要」と呼びかけた。
2部では、空き缶2つを使ってご飯を炊く「サバイバルメシタキ」を体験。講師は熊本大学工学部土木建築学科の竹内裕希子教授が務めた。参加者は空き缶を加工して鍋と窯を作り、燃料となる牛乳パックを細かく切って火力調整しながら屋外で炊飯に挑戦した。火が消えないように牛乳パックを少しずつ加えるなど慣れない作業に戸惑う様子も見られたが、炊き上がったご飯を味わうと、自分で作った達成感を口にする参加者の姿が見られた。体験後は竹内教授から修了証が手渡された。
中央公民館勤務の梅本寛さんは「初めて体験したが、こんなにおいしく炊けるとは驚いた。同じ材料でも炊き上がりが違うなど興味深い点も多い。楽しく防災を学べる企画として中央公民館でも実施してみたい」と話す。