熊本市立大江小学校(熊本市中央区大江3)で6月19日、防災授業が行われた。
1953(昭和28)年の白川大水害の記憶を次世代へ伝承し、自ら備えることを目的に企画した。大江小学校、大江校区防災連絡会、熊本市、熊本河川国道事務所が連携。6年生4クラスの112人が参加し、6年3組の教室で対面で行われ、ほかの3クラスは映像配信で受講した。
最初に、熊本河川国道事務所流域治水課の塩山純平さんが、白川流域の特性や過去の洪水について説明した。上流で降った雨が下流の熊本市内へ流れ込むことで水位が一気に上昇するため、上流の降雨情報にも気を付ける必要があることなどを紹介。1953(昭和28)年の白川大水害時の水位や状況のほか、ダムや遊水地など水害から町を守るための施設も紹介した。
続いて、熊本市危機管理防災部防災対策課の江崎潤さんが、大江校区に関する熊本市の取り組みを説明した。内水氾濫と外水氾濫の仕組みを解説するとともに、リニューアルしたハザードマップも紹介。雨が降った時にどこに水がたまりやすいかを事前に知っておくことも防災のひとつだと伝えた。
白川大水害の経験者で現在92歳の田尻康弘さんが被災の体験を話した。当時9歳だった田尻さんは、上流から流れてきた材木が子飼橋をせき止め大きな被害が出たこと、同年6月は例年の5倍近い雨が降ったことなどを、画像などを交えて紹介。自身も川に流されたが電線の支線につかまり助かったことを伝えた。大江校区では219人が亡くなり、友人21人も犠牲になったことを話す際には、涙ぐんでいた。
田尻さんは「自然を相手に人間は勝てない。過去の水害を教訓に水害から身を守る方法や避難ルートを事前に決めておくことが大事。73年前とは違い、今は情報をいち早く入手できる。早く逃げるが勝ち。正しく恐れることが大切だ」と話す。
このほか、大江校区防災連絡会会長の一木和彦さんが大江校区地区防災計画の概要を説明。当時の水害状況を再現したAR(拡張現実)を活用した体験学習も行われた。