
熊本市主催の「防災士フォローアップ研修会」が2月22日、くまもと県民交流館パレア(熊本市中央区手取本町)で開催された。
市内の防災士を対象に、自助・共助の取り組みを促進させることを目的に計184人が参加。防災士が自分の得意分野を将来的に各地域で生かすのが狙い。
冒頭で熊本市危機管理防災部の清田隆宏部長が「いつ起こるか分からない災害だからこそ、日頃から地域との連携をさらに強化していきたい。今回の研修が防災士の皆さまにとって知識の向上につながれば」とあいさつ。
研修は2部で構成。1部は危機管理防災部防災対策課の職員が自主防災クラブについて説明。組織や災害時の市の体制について話した。地域防災リーダーについては、熊本市に名前、住所、連絡先を地域に提供していいことを条件に登録。登録した人は該当する地域団体から協力要請があれば、熊本市から連絡が入る流れとなると説明した。防災計画課の職員は、個別避難行動計画について、その流れや役割について説明した。
2部は講演会とワークショップ。講演会の講師は、NPO法人「防災WEST」の早田蛍さんが務めた。気象予報士の観点から、災害から身を守るためには地域の災害リスクを知ること、災害から身を守るための知識を持つことの重要性について講演。ワークショップでは、同NPOの吉良正子さんが進行役となり、参加者は地域ごとに7~9人の班に分かれ、防災行動計画「マイタイムライン」を作成した。
早田さんは「考える力、判断する力、行動する力を身につけることが大事。災害時は10準備していても2しかできないといわれている。今のうちにできることをたくさん準備しておくことが重要。今回のマイタイムラインも、家族や地域の人と話し合って、災害時をイメージしながら作成してほしい。今回の研修を機に、選択肢をたくさん考えて、早め早めに行動する気持ちを持ってもらえれば」と呼びかけた。
参加した熊本市中央区在住の家近靖史さんは「令和2年7月に起きた球磨川流域の豪雨災害を見て、何か始めなければと思い、昨年、防災士の資格を取得した。普段は一人で考えて行動することが多いので、今回の研修では、班の中で防災について意識の高い人たちの多様な意見を聞くことができ、勉強になった。まずは自分にできることを考えて行動していきたい」と話していた。