
「川尻蔵前通り祭り2025春」が3月9日、熊本市南区川尻で開催された。
川尻地区は江戸時代から「職人の町」として栄え、緑川流域の物資集散地として重要な役割を担った歴史がある。
同祭りの目玉は、1867年創業の老舗酒蔵「瑞鷹」による「新酒蔵出し市」。限定酒が販売され、お酒に合う食べ物の模擬店も多数出店し、大勢の人が訪れた。同時開催の「開懐世利六菓匠」による和菓子作りの実演や最中バイキング、寺院連携の「川尻お寺deフェスタ」での限定御朱印授与や浄行寺マルシェが行われた。そのほか、閉業した銭湯「冨乃湯」での「湯けむり」アート展示など、地域資源を生かした催しが祭りを彩った。
川尻商店街連合会は、毎年3月のこの催しを「地元住民の交流を深めながら、訪れる人に川尻の魅力を知ってもらう貴重な機会」と位置付ける。晴天となったこの日、川尻蔵前通りは歩行者天国となり、新酒を楽しむ人が行き交う春の祭りらしいにぎわいを見せた。