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熊本・島崎で徳富蘇峰をしのぶ命日祭「髪塚祭」 記念講演会も

「髪塚」の前で、会長の近澤さん(左)と事務局長の末次さん(右)

「髪塚」の前で、会長の近澤さん(左)と事務局長の末次さん(右)

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 明治から昭和にかけて活躍した歴史家・ジャーナリスト、徳富蘇峰をしのぶ命日祭「髪塚祭(かみつかさい)」が11月2日、「髪塚」(熊本市西区島崎7)で開かれる。大江公民館(中央区大江6)では同6日、記念講演会が開かれる。

「髪塚祭」が開かれる髪塚の様子と周辺の景色

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 徳富蘇峰は1863年、熊本県・上益城郡益城町に生まれた。熊本洋学校、同志社などに学び、私塾「大江義塾」を開く。著書「将来之日本」が当時の若者に好評を博し上京。言論で身を立てることを決心する。1890(明治23)年に日刊新聞「国民新聞」を創刊。1918(大正7)年に書き始めた「近世日本国民史」は、55年間をかけ全100巻を書き上げた。明治から昭和・戦後期に歴史家・ジャーナリストとして活躍した。

 主催は「德富蘇峰の会・熊本」(事務局=TEL 090-2852-4438)。蘇峰が5歳から6歳の時に通った「兼坂止水塾」にほど近く、自身の髪が収められる西区・島崎の「髪塚」で命日祭「髪塚祭」を開く。その4日後に、旧居そばの大江公民館で「田舎青年に希望を与えた蘇峰」をテーマに記念講演会を開催。

 事務局長の末次直人さんは「蘇峰は、上京し若干24歳で論壇に現れた。著作『近世日本国民史』は司馬遼太郎も資料とした。ジャーナリストとしても、歴史家としても、一貫して若者を応援した。この機会に、いろいろな方に蘇峰の言葉を知ってもらいたい」と話す。

 同会の近澤眞人(まさと)会長は、蘇峰の姉のひ孫に当たる。「私にとっての徳富蘇峰は『猪一郎(いいちろう=蘇峰の本名)おっさん』。親戚であるため偉人という感覚はないが、みんなに会を用意していただきありがたい」と話す。

 「漢詩が多く残っているため、取っつきが悪いと思われがちだが、そんな難しい人ではなかったと思う。その証拠に今も蘇峰の元に人が集まってくれる。蘇峰に触れて、『自分も頑張ろう』と思っていただけるとうれしい」とも。

 髪塚祭の開催時間は11時~12時10分。雨天中止。記念講演会は14時~16時。いずれも参加無料。

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