見る・遊ぶ 学ぶ・知る

熊本「フラットスクエア」でプラネタリウム鑑賞会 移動プラネタリウムで投影

会場「フラットスクエア」の木下さん(左)と「さかもと八竜天文台」台長の稲葉さん(右)

会場「フラットスクエア」の木下さん(左)と「さかもと八竜天文台」台長の稲葉さん(右)

  • 16

  •  

 熊本・水前寺の九州電力熊本支社(熊本市中央区上水前寺1)1階「フラットスクエア」で10月9日と11月6日、移動プラネタリウムによる「プラネタリウム鑑賞会」が開かれた。8月に予定していたが、コロナ禍で時期をずらして開催した。

プラネタリウムのドーム部分と本体、鑑賞会の様子

[広告]

 フラットスクエアを運営する同支社の石本博己さんと木下友博さんの「祭りやイベントが軒並み中止になる中、子どもたちにはいい思い出を作ってほしい」との思いから始まった。8月に応募した人が再度予約し、すぐに満席となったという。

 移動プラネタリウムは、2020年7月の熊本豪雨災害に見舞われた「さかもと八竜(はちりゅう)天文台」からやって来た。ドーム部分は直径7.1メートル・高さ4.1メートルに及ぶ。同天文台の台長、稲葉洋一さんが手作りで自ら作り上げ、スタッフと共に出張で設置・開催された。

 「研究者の実例の写真を見て、自分でも作れると思った。エアドームは世の中にあるが、大変高価なので農業用の遮光フィルムを熱でくっつけて作った。ドーム部分だけなら約3万円でできた」と稲葉さん。

 学校の体育館に入る大きさで、小学校2クラス分を想定し90人が入れる仕様。ドーム部分に床がない構造で、空気を常に注入し形状を維持する。中は常に換気されているので、コロナ禍でも歓迎された。天文台の復興期間中、この「移動プラネタリウム」で25回出張したという。

 星の写真を児童・生徒に見せても誰も話を聞いてくれない。学校の先生も、星の動きを説明することは難しい。稲葉さんは「みんなの記憶に星の授業が残っていないのは動きが分からないため。このプラネタリウムを使うと星を自由に動かせる。北極星が動かないこともこれで分かる」と話す。

 星を投影するプラネタリウム本体部分は、100万個の星を投影する。プロジェクターにも魚眼レンズを付け同時に投影。投影された星に「星座絵」や「星座線」で全天の夜空を分かりやすく再現する。

 ドームに入った家族連れの子どもたちに、木下さんやスタッフが「できるだけ寝っ転がって見てね」と声掛けをして鑑賞会が開始。ドームの移動時にできた多少の穴も、天文台のスタッフの気転で「これは人工衛星ですね」と楽しませていた。

 同鑑賞会の来場者は、初回=78人、2回目=101人となった。

 「さかもと八竜天文台」は11月1日に復興、開館した。同天文台でも、稲葉さん手作りの4メートルのつり下げドームを備えるプラネタリウムが来館者を迎える。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース