熊本・北区の「八景水谷(はけみや)公園」(熊本市北区八景水谷1)で現在、古代ハスの花が最盛期を迎えている。約150坪分のハスが育つ園内の池(通称「ひょうたん池」)では、池の特徴な形状と日照、無風などの条件によって、水面に反射し鏡像と対になったハスの姿を楽しむことができる。
益城町でハスを栽培している伊藤松弘さんは、市の許可を得た同園の池で、地域住民の愛好家と共に2018(平成30)年から月1回程度の手入れを続けてきた。
伊藤さんは2008(平成20)年、熊本国府高校(中央区国府2)元5代目校長の故木下俊文さんとの出会いから、学内のハスの育成を手伝うようになった。このハスが縄文時代の千葉市の遺跡から発見された直系の古代種で、木下さんが譲り受け育ててきたことに強く興味を持った伊藤さん。2015(平成27)年に自ら休耕田を再生し、譲り受けた種から600坪のハス田を益城町に整備するまでになった。
以降、熊本県を中心に栽培したハスを株分けして寄贈したり、育成の手伝いをしたりしている。八景水谷公園のハスもその中の一つで、約1坪分の古代ハスから始まり、環境や生態系に配慮しながら手入れをしている。
伊藤さんは「ハスが咲くことは、水のきれいさのたまもの。地元の公園に花があると人が喜んでくれる。今年も楽しんでもらえるとうれしい」と語す。
古代ハスの花の見頃は長く、最大4カ月間で、8月下旬ごろまで続く。