熊本市の高校生・中根七海さんが1月29日、東京で開催された「第10回松口月城漢詩吟詠コンクール」で文部科学大臣賞を受賞した。
同大会は「医師で詩人の松口月城(1981年没)が残した漢詩を長く後世に伝えたい」と2011(平成23)年から開催されている吟詠の大会。10回目となる今回は、全国各地から集まった17歳~94歳までの120人が出場。七海さんは最年少の参加者として舞台に立ち、優勝に当たる文部科学大臣賞に輝いた。
七海さんが初めて舞台に立ったのは2歳の頃。曽祖母・山中梅鈴さんが1955(昭和30)年に立ち上げた「日本吟声流」(熊本市東区小峯1)を祖母・母と継いでいく環境の中で生まれ育った。母・山中梅鈴子さんは「七海が赤ちゃんの頃から教室に連れて行っており、物心がつくころには自然に口ずさんでいた」と振り返る。
中学1年生で師範となり、吟詠は生活の一部になっているという。高校受験前の1年間だけ休んだが、高校生になってからは母から指導を受けるほか自主練習も欠かさない。七海さんは「やめたいと思ったことはない。吟詠は楽しい」と話す。曽祖母・祖母・母とともに4世代で舞台に立つこともあり、「尊敬する人は曽祖母」だという。
七海さんは「吟詠はすてきな日本の伝統芸能。曽祖母が立ち上げ、祖母・母と受け継いできた吟詠を4代目として守り続け、いつか世界中に広げたい」と意気込みを見せる。