ディナーイベント「Kumamoto Vegan Dinner 菜食のすすめ」が5月16日・17日の2日間、ホテル日航熊本(熊本市中央区上通町)で開催された。
動物性由来の食材を使わないビーガン料理。健康志向の高まりや環境への配慮から熊本でも少しずつ広がっている。今回は、2019年イタリア・トリノで開かれたビーガン料理世界大会「ベジタリアン・チャンス」で日本人として初優勝した上田悟さんがシェフを務めた。
御船町出身の上田さんは2010(平成22)年、イタリア菜食の本場トリノに渡り、1つ星レストランでセカンドシェフを務めるなど経験を積み、今は現地でレストランを経営している。
今回のイベントでは、野菜のカルパッチョにワカモレ、セビーチェ、デュカとさまざまな国の味付けの手法を取り入れた前菜、赤ナスとトリュフを根セロリに詰めた料理や、乳酸発酵させたシイタケ、山菜、黒ゴマのソースを合わせたジャガイモの燻製(くんせい)スープなど、県産野菜を中心として7品を提供。料理に合わせた6種類のワインもセレクトし、参加した20人が楽しんだ。
当日参加した熊本市在住の橋本さんは「ビーガンの印象を覆すような料理ばかりだった。野菜だけのうまみを発酵やパウダーにすることで、こんなにも味わい深いものになることを知ることができた」と話していた。
上田さんは「ビーガンはこれから海外からの観光客や2年後の万博も視野に入れると、これまで以上に需要が上がると思う。今回のイベントがたくさんの方に知っていただく一つのきっかけとなれば。メニューは極力県産のものを使った。恥ずかしながら自分自身こんなにたくさんの県産のおいしい食材を作る生産者の方々がいらっしゃることに何度も驚かされた。熊本から全国に、どんどん広がっていけば」と期待を込める。