市電イベント「おでん・オーデン・俺、市電」が11月12日、交通局~健軍・上熊本のエリアで開催された。
主催はウェブサイトや映像の企画・開発・制作などの事業を手がける「スケッチ・オブ・デザイン」(東京都新宿区)。2022年8月に熊本県・熊本市と立地協定を結び、新市街商店街に「熊本工作室」を開設した同社が1周年を記念して企画した。
市電1200形1205号車を1959(昭和34)年当時のカラーへ復刻させるクラウドファンディングに出資したのがきっかけ。熊本市交通局では、夏に期間限定で市電の中でビールや食事を楽しめる「ビアガー電」を実施しているが、暑い季節だけでなく、寒い季節にも楽しめる「ほかほか」イベントを作りたいとの思いから、愛知県・豊橋鉄道「おでんしゃ」を参考にイベントを企画。当日は21人の参加者が貸し切り市電を楽しんだ。
熊本市中心市街地で店を構える「ビアレストラン オーデン」(熊本市中央区下通1)協力の下、1917(大正6)年創業のこんにゃく店「鳥丸八十七商店」(中央区細工町1)の「城下町おでん」、「オーデン・ハムファクトリー」のハム盛り合わせ、「農家おにぎり ichi kara juu」の玄米おにぎり、「瑞鷹」(南区川尻4)の東肥赤酒を使った馬すじ煮込みのほか、ビール、「山村酒造」(高森町)の日本酒、「高橋酒造」(人吉市)の球磨焼酎などを振る舞った。
勝又啓太社長は「まちの活性化を図りたい一方で、渋滞との戦いでもある中心市街地の交通事情があり、交通インフラの改善は急務。市電との親近感を増やすことで、これからのまちづくりに貢献したいとの思いから実施した。当社の事業活動を通じて、熊本が『思いを形にできるまち』になっていくうえでの貢献ができれば」と意気込む。
イベントに参加した鳥丸克彦さんは「市電は小学1年生の時から乗っている身近な存在で、熊本市民にとってなくてはならないもの。おでんと日本酒を楽しみながら市電に乗れて幸せだった。参加者は初対面が多かったが、この雰囲気のおかげか、すぐに仲良くなれた。ぜひまた企画してもらい、熊本の風物詩にしてもらえれば」と期待を寄せる。