熊本・平成の和食店「食菜酒楽かぐら」（熊本市南区平成2、TEL 096-370-1620）がリニューアルオープンして、11月30日で1カ月がたった。

食菜酒楽 かぐら、商品と店舗

　同店は、50年ほど続く和食店。15年前に現在の店主が受け継ぎ、営業を続けてきた。「歴史のある店で、昔ながらの和食レストランとして多くのお客さまに利用いただいてきた。今回、2カ月をかけて全面改装した」と部長の前原将史さんは話す。

　「どんなお客さまでも心置きなく利用できる」をコンセプトに、建物の骨組み以外は全て改築したという。「以前から年配のお客さまに多く利用いただいているが、元の店は段差があって車いすでの利用ができなかったことと、座敷席で足を辛そうにしているお客さまの姿を目にしていたことから、バリアフリーにこだわった」と前原さん。

　テーブル席、小上がりの掘りごたつ席、座敷席を用意。テーブル席のうち1卓は車いすでそのまま利用できるよう、通常の2倍の広さを設けた。トイレまでの動線もバリアフリーにして、床に傾斜がある部分には手すりを取り付け、トイレ内は車いすで利用できる広さにしたという。

　前原さんは、「私自身に子どもが生まれて、座敷席のありがたさが身に染みた。年配の人に向けたバリアフリーだけではなく、子ども連れでも利用しやすい席をと考えた結果、席の種類や広さが多様になった」と話す。

　メニューは、創業当時から引き継いできた看板メニュー「あら炊き」など、既存のメニューを踏襲。そこに今回、高菜飯やだご汁などの郷土料理から成る「リニューアル記念御前」（1,680円）などを新たに加えた。

　前原さんは「50年前から続く店の伝統を守りながら、これからも長く地元の人に日常的に利用してもらえるような店を目指している。歴史と伝統の上に、時代と共に新しいものを取り入れていけたら」と意気込む。

　営業時間は、ランチタイム＝11時30分～15時、ディナータイム＝17時～22時30分。