熊本東区主催の「防災力アップ講演会」が2月16日、ホテル熊本テルサ(熊本市中央区水前寺公園)で開催された。
東区在住の防災士、校区防災連絡会を対象に、専門的な知識を持つ講師の講演や、新しく熊本県にできた「熊本県防災センター」(中央区水前寺6)の展示・学習室の見学を通し、地域の防災力向上を図るのが狙い。当日は約100人が参加した。
冒頭で本田昌浩東区長が「想定を遥かに超えた球磨村の災害で大変困難な状況の中、災害現場の第一線で活躍した方の話を聞くのは、とても有意義な時間になる。本日は皆さまと一緒に、これからの防災に必要な視点や情報について学び、東区の安全安心なまちづくりに生かしていければ」とあいさつ。
球磨村役場総務課・防災管理官の中渡徹さんが講師となり、「令和2年7月豪雨災害を振り返り今思うこと」をテーマに講演。球磨村の概要を紹介した後、令和2年7月豪雨の特色や役場の初動対応、当時の行動記録、被害の概要を説明。この災害を通して思ったこと、その後の町としてのソフト防災施策などを紹介した。
中渡さんは「全国で多発する自然災害に対しては、過去の教訓から防災、減災につなげていくしかない。令和2年7月豪雨の教訓伝承は、生かされた人の使命。地震はいつ起きるか分からないが、豪雨災害は何らかの予告があり、梅雨の時期は雨が降ることは分かっている。明るいうちに、動けるうちに、防災無線が聞こえるうちに、とにかく避難するのが大事。住民自らが考え実践するためには、日頃からの訓練も重要。さまざまな状況に対応できる対応力を身につけてほしい」と呼びかけた。