就労移行支援・自立訓練事業所「ソーシャルスクエア上乃裏」(熊本市中央区水道町、TEL 080-4389-4723)が、ワインショップを併設した事業所を開所して8月1日で半年を迎えた。
国内に就労移行支援事業所9カ所を展開するソーシャルデザインワークス(福島県いわき市)が立ち上げた熊本で3番目の事業所で、ワインショップ「ESPACIO」を併設する。店舗併設型事業所の運営は同NPOでは初めて。障害者や生きづらさを抱える人が社会とつながり自分らしい生活を送る力を養う場にしようと、カリキュラムや面談などの障害福祉サービスを提供する。商品の受発注や接客など「働く体験」も取り入れる。
イタリアンレストランの居抜き物件を改装した施設内は、入り口側がワインショップ。奥のスペースが事業所で、同NPOの北野佳奈さんは「ゆっくりと過ごせる隠れ家的なスペースが利用者にも好評」と話す。ワインセラーには、アルゼンチンの産地提携ワイナリーから仕入れた約30種類のアルゼンチンワインを用意。ワインコイン(500円)で店内試飲も用意する。酒類販売管理者で就労支援員の大石泰山さんが中心となり、接客や受発注業務などを利用者と一緒に行う。
マネジャーの北野さんは「『上乃裏』の事業所では、障害の有無、性別や文化にとらわれず利用者と地域の皆さんが一緒に楽しめる企画を実践していきたい。アルゼンチンワイン専門のワインショップは熊本では珍しいので、ワインの試飲だけでも気軽に立ち寄ってもらえれば」と期待を込める。