「第4回農福連携シンポジウム」が7月3日、熊本市男女共同参画センター・はあもにい(熊本市中央区黒髪3)で行われた。主催は熊本県農福連携協議会(西区野中1)。
同協議会は農業、福祉の発展や、障害のある人の社会参加を促進するネットワークとして、2023年9月に設立。障害のあるなしに関わらず「共に働き、共に生きていく」社会の実現を目指し、農業者や福祉事業所、行政、教育機関などをつなぐ熊本県内の地域ネットワークづくり、障害者や高齢者の働く機会をつくるなどの活動を行っている。
シンポジウムのテーマは「農業と福祉がつながり、地域の未来をひらく」。専門家や実践者による講演や事例発表を通じて、農福連携の可能性と今後の展望を考えた。講演したのは、東海大学文理融合学部経営学科教授の濱田健司さん、一般社団法人「STEP UP」(宮崎市)代表理事の堀川佳恵さん、「大隅半島ノウフクコンソーシアム」事務局長の天野雄一郎さんの3人。会場には、農業、福祉関係者や一般客など約80人が集まった。
濱田さんは「農福連携が広がる。地域を繋(つな)げる、創る未来!」と題して講演。農福連携の可能性に着目し、長年にわたり研究・現場での実践に取り組んできた内容を紹介した。
天野さんは、全国各地の農福連携の事例を紹介。「面が面を呼ぶ。全国へ、全国から」をテーマに、規格外のイチゴをジェラートに加工して販路拡大につなげた事例や、林業と福祉を組み合わせた事業、農福連携で取り組んだ非常食などを紹介した。天野さんは「全国には8227通りの事例がある。それぞれ地域が違うように個性がある。連携は、地域の数だけ答えがある。地域外に出て外から学ぶことで、自身の地域の価値に気付くこともある。積極的に外に目を向けてほしい」と話した。
堀川さんは、自身が福祉に取り組む中で農業を選んだ理由を説明。さまざまな障害がある人がいる中で、みんなで一緒に作業ができるのが農業だったと紹介。利用者25人が働く姿を想像できたこと、取り組みは決して簡単ではなかったことも伝えた。利用者一人一人がどのくらい集中できる時間があるかを見極め、取り組みを持続可能なものにするために、仕事を細かく切り分けて個性を尊重することなどを説明した。
同協議会会長の奥野靖夫さんは「これまで農福連携の事例は多かったが連携が少なく、つなぎ役が必要だと思い立ち上げた。少しずつ広がりを見せているが、さまざまな機関やプレーヤー、企業などが重なった重層的支援が大事になっている。人と人とのつながりを大事に、出会いを重ねながら進めていきたい」と意気込む。