災害などで実際に破損した写真を洗浄してもらうイベント「写真洗浄ボランティア体験」が11月10日、下通商店街・HAB@前(熊本市中央区下通)で開催された。主催は、ボランティア団体「あらいぐま人吉」とパルコ。
「あらいぐま人吉」は、2020年7月の熊本豪雨災害後、人吉で写真洗浄ボランティアに携わった4人が集まって2021年7月に活動開始。現在は人吉市内の公民館で月2回、水害で被災した写真の洗浄を通してつながることで被災者に寄り添う活動を行っている。活動には被災者も参加し、地域コミュニティ-づくりの場も兼ねているという。
多くの人に活動を知ってもらえればと当日は、パルコと同団体との縁で商店街にブースを設置。写真を水洗いして汚れを落とし、アルコールで殺菌消毒するまでの写真洗浄を集まった子どもから大人に体験してもらった。参加者の一人は「大事な写真なので丁寧に作業しなければならないが、難しくなく気軽にできた。『思い出を守る活動』と聞くと、やりがいもあった。機会があればまたやってみたい」と話していた。
「水害などで写真が水に漬かってしまった場合、捨ててしまうことが多い。このような機会を設けることで、洗浄すれば写真を残せるというこを知ってもらいたい。若い人が災害ボランティアに関わってもらえるよう、この体験を通して育成もできれば」と同団体代表の長山公紀さん。同団体で約1年にわたりボランティアを続けている熊本大学4年生の河原由昇さんは「大学のサークルでボランティア募集があり参加したのがきっかけで、楽しみながら活動を続けている。写真が元通りになると依頼された被災者に喜んでもらえる。大学院まで通うので、最短でも2年はボランティアを続けていきたい」と意欲を見せる。