
玉名市・玉東町を舞台にした映画「レイニーブルー」の上映が7月4日、映画館「Denkikan」(熊本市中央区新市街)で始まった。
同作品は、17歳の高校生で映画同好会の唯一の部員である主人公が、卒業を目前に将来に悩みながらも、部室で見つけた一冊の脚本をきっかけに妄想を膨らませていく青春群像劇。父とのぎくしゃくした関係や、癖のあるクラスメート、味方か敵か分からない先生たちとのやり取りを通じて揺れ動く心を描く。
主演と共に監督・脚本を手がけたのは、熊本県出身の柳明日菜さん。撮影当時は自身も高校生で、「自身の体験を元に実感を込めて描いた」という。舞台となる玉名市と玉東町は柳さんの故郷で、笠智衆さんの出身地でもある。作品にはその孫である俳優の笠兼三さんをはじめ、高良健吾さん、中島瑠菜さん、小沢まゆさんなど、熊本ゆかりの俳優が出演している。
映画のタイトルと同名の徳永英明さんの楽曲「レイニーブルー」が挿入歌として使われており、作品全体の余韻とリンクする構成になっている。
柳さんは「熊本で開催された復興映画祭に感銘を受け、人生を懸けてこの映画を作った。思い出の場所でもあるDenkikanで上映できるのが本当にうれしい。ロケ地を巡ってもらえるように、日本語・英語・中国語でロケ地マップも制作した。映画を通じて熊本の風景の美しさも伝えたい。まずは劇場で作品を体感してほしい」と呼びかける。
同作品はDenkikanでの先行上映を経て、7月18日から全国で順次公開される。