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小泉八雲熊本旧居で怪談「雪女」のVR体験

VRゴーグルを装着すると、それまで見ていた風景に語り部が現れ、物語にひきこむ(画像提供・熊本市)

VRゴーグルを装着すると、それまで見ていた風景に語り部が現れ、物語にひきこむ(画像提供・熊本市)

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 鶴屋百貨店・本館そばの「小泉八雲熊本旧居(記念館)」(熊本市中央区安政町2)で怪談「雪女」をテーマにしたVR体験が始まり、1カ月がたった。

怪談「雪女」のVR体験の流れと小泉八雲熊本旧居

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 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、明治時代に活躍した熊本ゆかりの作家で、「耳なし芳一」「雪女」などの日本を代表する怪談で知られる。熊本市は、旧居が市指定有形文化財となっている小泉八雲の作品「雪女」の物語をデジタル技術でVR化した。

 熊本市文化財課の田邊翔さんは「外出が制限されることが多く、文化に触れる機会が減る中、熊本市の残すべき文化を伝え継続していくために、今できることは何かを考えた」と話す。

 小泉八雲は1891(明治24)年11月、熊本大学の前身である第五高等中学校の英語教師として島根の松江中学校から赴任し、1894(明治27)年10月までの3年間を熊本で暮らした。日本人女性を妻に持ち、長男も熊本で誕生した。

 同館は、この時の家を移築・再現したもので、日本を世界に紹介した「知られぬ日本の面影」「東の国から」などの著書は熊本での生活から生まれたとされる。

 VR体験では、専用のVRゴーグルを装着し、コントローラーを握るとVR映像が展開する。VRは同館の「書斎」の位置情報と関連付けられており、来場者が実際の「書斎」でVRゴーグルを装着するとVRが展開。それまで見ていた「書斎」の風景に語り部が現れ、景色がさまざま移り変わり、物語に引き込む。一度、現地の館内でVR体験をすると、来場者は帰宅後も関連コンテンツを楽しめる。

 坂本弘敏館長は「明治の変革期に、熊本市も大いにそれに関わり、文化面でも多くの遺産がある。今回の公開で、少しでも多くの人に興味を持ってもらえるとうれしい」と話す。

 同市文化財課の緒方健さんは「熊本市には指定有形文化財の記念館が8つある。これを第一歩として、今後も身近で貴重な熊本の文化に触れられる取り組みを続けたい」と意気込みを話す。

 開館時間は9時30分~16時30分。月曜休館(祝日の場合は翌平日)。

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