水上村と大石酒造、阿部牧場による「コラボ商品発表会・受注会」が2月29日、熊本市中心市街の「上之裏CIRCUS(サーカス)」(熊本市中央区水道町)で開催された。
主催は水上村産業推進機構。県南に位置する水上村は山間にある人口約2000人の自治体で、「2000名の村の大チャレンジを」をテーマにさまざまな事業を行っている。同発表会では、水上村地方創生推進課参事・岩崎亮さん、地域資源で観光・物産販売などを手がける「みずかみ」支配人・椎葉信博さん、酒造メーカー「大石酒造」専務・大石和教さん、酪農をベースに新しい事業展開を行う「阿部牧場」社長・阿部寛樹さんと開発者の井上千恵美さんが登壇した。
水上村では、野生の鹿による農作物被害が問題となっているという。「鹿の命を大切にしたい」との思いから、農作物を守るために捕獲した鹿を、食肉として利活用していくことで地域振興につなげる取り組みの一環として、食品加工を行っている。椎葉さんは「今回、鹿肉で『ジビエ生ハム』を製品化することができた。鹿肉本来の鮮やかな紅色を生かし、余分な味付けをせずに鹿肉本来の味を楽しんでほしい」と話す。
大石酒造と阿部牧場は「焼酎チーズ」を開発。焼酎の製造過程で、蒸留した後に残る焼酎かすは、製品の約2倍の量が排出されて廃棄されている。焼酎かすをどうにか活用できないかと、阿部牧場と研究開発に取り組み、焼酎かすを添加したチーズ「大石ウォッシュ」と「大石ブルー」を製品化した。開発者の井上さんは「焼酎かすを使ったチーズの開発は初めてで、試行錯誤しながら2年をかけてやっと製品として発表することができた」と振り返る。
岩崎さんは「今回、やっとジビエ生ハムと焼酎チーズを開発することができた。水上村の食材を使って地元の人が作る食品を楽しんでもらうとともに、水上村に興味を持ってもらうきっかけにしてもらえたら」と意気込む。
商品は、協力店で期間限定販売するほか、ふるさと納税返礼品としても提供予定。