熊本に秋の訪れを告げる藤崎八旛宮(熊本市中央区井川淵町)の例大祭が始まり、3日目の9月15日は神事の中心となる「献幣祭(けんぺいさい)」が行われた。
勇壮な馬追いで知られる「神幸行列」は、昨年に続きまん延防止のため中止となったが、神事は例年通り執り行った。
献幣祭は古来、皇室からの供え物を神前に供えてきた儀式。今年は神社の総代約30人と「熊本新町獅子保存会」の副会長、「飾馬奉納奉賛会」の会長など、総勢約40人が参加。熊本県神社庁から訪れた献幣使(けんぺいし)が、神社本庁の幣帛(へいはく)を献上した。
藤崎八旛宮の権禰宜(ごんねぎ)の藤岡敬士さんは「まん延防止のため一部縮小したものの、歴史あるお祭りが無事斎行できて良かった」と振り返る。
巫女(みこ)舞を奉納した同神社の巫女、松本望さんも「例年は楼門から入った境内で行われる神楽や巫女舞は、今年は拝殿で奉納した。無事奉納できて良かった」と話す。
9月19日には、御神体が「御旅所」(新町)との間を往復する神事や能の奉納、生花の奉納展示を執り行う。秋季例大祭の一連の神事を無事に斎行したことのお礼をする翌20日の「奉賽祭(ほうさいさい)」で最終日を迎える。