親子で学ぶ「防災バスツアー」が8月10日、熊本地震震災ミュージアム「KIOKU」(南阿蘇村河陽)と益城町復興まちづくりセンター「にじいろ」(益城町宮園)で開催された。主催は熊本市南区総務企画課。
親子で楽しみながら防災を学んでほしいと、小学生を対象に開催する特別企画の1回目。企画は3部構成とし、防災士らと一緒に行く被災地見学のほか、座学や体験を用意した。
当日は募集に応じた親子15組38人が参加。目的地へ向かうバスの中では、NPO法人「ソナエトコ」の防災士で徳山理恵さんが、防災に関するゲームを実施した。「私は誰でしょう」というテーマで、用意したヒントを提供。災害時にあると便利な懐中電灯やモバイルバッテリー、軍手などの答えを考えてもらうと、正解して喜ぶ様子が見られた。
第1部は被災地見学で、KIOKUを訪問。ガイドが映像を見せたり震災遺構を説明したりして、熊本地震直後からの歩みを紹介した。地震で壊れたまま残っている自動車を見た参加者が驚く様子も見られた。
第2部は、にじいろで防災食作りを体験してもらった。徳山さんが、災害時でも簡単に作ることができる食事を紹介。耐熱性のポリ袋にホットケーキミックスと水を入れ、袋のまま鍋で湯せんする調理法を実践してもらったほか、アルファ化米体験やフリーペーパーを折って作る簡易皿作りなどを学んでもらうと、親子で協力しながら取り組む様子が見られた。
第3部は、益城町在住で語り部として活動している永田忠幸さんの講話。熊本地震でできた断層や避難所生活の話などを紹介した。永田さんは「地震のせいではなく、地震のおかげでという言葉に変えて考えるようにしている。起こった出来事は変えられないので、何事も前向きに考えることが大事」と話した。
小学6年生の杉山れいさんと参加した母親の杉山友香さん(東区在住)は「当時4歳だった子どもは熊本地震をほとんど覚えていない。自然災害の怖さを知って、災害に対する備えの大切さを子どもなりに感じてもらいたいと参加した。災害時にみんなで助け合って乗り切ったという話も聞けてよかった」と話すと、れいさんは「普段はなかなか体験できない内容だったので勉強になった。防災食体験では目分量で作らねばならず難しかったが、おいしくできてよかった」と笑顔を見せた。
2回目は9月28日に実施する。