
展覧会「和食~日本の自然、人々の知恵~」が7月19日、熊本市現代美術館(熊本市中央区上通)で始まった。
同展は、ユネスコ無形文化遺産に登録されてから12年がたつ「和食」の多様性と奥深さに迫り、食材や調理技術、発酵文化、歴史的背景、現代の食の課題など、幅広い視点から和食を捉える内容。
会場には、「世界の食」コーナーとして、産業革命以前の各国の食文化を紹介し、糖質・たんぱく質・脂質の摂取源の違いを比較。続く「野菜」コーナーでは、和食に不可欠ながらも多くが外来種である野菜の流通と起源を紹介する。
そのほか、日本に約3000種あるとされる「きのこ」や、「山菜」「発酵食品」に焦点を当てた展示も展開。みそ・しょうゆ・日本酒の製造工程などを分かりやすく解説する。さらに、「魚」のコーナーでは、マグロを中心に和食と魚食文化の関係を紹介。縄文時代から現代までの食の変遷や、戦国武将・織田信長が口にしていたとされる料理の再現展示も行う。
熊本会場限定の展示として、地元の食文化や現代アートによる食をテーマにした作品も紹介。「食の多様性」と「地域のつながり」を体感できる構成になっている。
企画を担当する同館学芸員の里村真理さんは「和食は独自に発展しつつも、外からの影響を受けながら進化してきた文化。グローバル化が進む今だからこそ、その価値を再認識してほしい」と話す。
開館時間は10時~20時(入場は19時30分まで)。火曜休館。前売り観覧料は、一般=1,200円(当日は400円増し)、65歳以上=1,000円、高校・大学・専門学校生=700円(以上、当日は200円増し)、中学生以下無料。9月23日まで。