「秀島由己男展」が現在、熊本市現代美術館(熊本市中央区上通町)で行われている。
秀島由己男さんは1934(昭和9)年生まれ、水俣市出身の画家・版画家。中学卒業後にほぼ独学で絵画・版画の技術を習得した。1966(昭和41)年に初個展を開いて以来、国内外で活動。2018(平成30)年に84歳で亡くなるまで、絵画作品を多く手がけた。同展は四半世紀ぶりの回顧展で、1950年代から2010年代にわたる画業の全貌を8つのコーナーに分け、代表作、未発表作品、制作資料を含む260点超で振り返る。
会場では「仮面」「キリストと民衆」のほか、「霊歌〈祈り〉」シリーズを多数展示。円形のモチーフを好んだ秀島さんの特徴として、メロン、風船、キャベツなどを描いた静物画も並ぶ。晩年の制作について「この世のものでもない、あの世のものでもない」状態を表現することを志向していたことなども紹介されている。
詩人・作家の故・石牟礼道子さんとの交流も紹介。石牟礼さんの長編小説「春の城」の挿絵シリーズ全312点の一部も展示している。
「創作の舞台裏」コーナーでは、制作の資料として写真を活用していたことを紹介し、40歳ごろの秀島さん自身がモデルを務めたモノクロ写真も並ぶ。小学校入学記念の母親との写真も展示している。
「自己研鑽(けんさん)のための美術・工芸コレクション」コーナーでは、秀島さんが影響を受けた作品として歌川広重をはじめとする浮世絵や西洋古典版画などを紹介する。
開館時間は10時~20時(入場は19時30分まで)。火曜休館。観覧料は一般=1,500円、シニア(65歳以上)=1,200円、高校生・大学生=1,000円、中学生以下無料。6月21日まで。