「第45回 全国歯科保健大会」が11月2日、熊本城ホール(熊本市中央区桜町)大ホールで開催された。主催は、厚生労働省、熊本県、熊本市、公益社団法人日本歯科医師会、一般社団法人熊本県歯科医師会。
毎年1回この時期に各地で開催している同大会は、全国から多くの歯科保健関係者が集まる。健全な歯と口腔(こうくう)で正しい食生活を送り、心と体の健康の維持・向上、そのために必要な歯科口腔保健の重要性を発信するのが狙い。今回は「人生100年時代 おいしく食べて豊かな人生」をテーマに、歯科医療関係者、行政、福祉関係者、大学生など1000人が参加した。
オープニングアトラクションとして、鎮西高校ダンス部がパフォーマンスを披露。続いて開会式の冒頭で熊本県歯科医師会の伊藤明彦会長が「医療関係者が一丸となって国民一人一人の健康に寄与しなければならない。そのためにさまざまな広報活動も行い、歯と健康の関連性を伝えていきたい」とあいさつした。
大会は3部で構成。1部は歯科保健事業の推進、歯科口腔保健の普及向上に功績があった個人と団体を表彰。厚生労働大臣表彰では、個人58人、地域功績団体2団体、職域功績団体6団体、日本歯科医師会会長表彰では、個人57人、1団体を表彰した。
舞台転換で行われたアトラクションでは、PR動画の上映後、必由館高校和太鼓部がパフォーマンスを披露。
2部の特別講演では、公益社団法人日本中国料理界顧問の斉藤隆士さんが講師を務めた。テーマは「医食同源 楽しい食生活」。熊本ホテルキャッスルの総料理長だった自身の経験も踏まえ、「胃の強さ、消化が健康の秘訣(ひけつ)で、そのために大切なこと」などを分かりやすく紹介した。
3部のシンポジウムでは、冒頭あいさつした伊藤さん、講演した斉藤さん、日本歯科医師会会長の高橋英登さん、総合司会を務めた本橋馨さん、村上美香さんらが今回のテーマについて意見を交わした。
併せて、会場の外では健康な歯をつくるための普及啓発、企業によるブース出展などが行われた。
高橋さんは「日本歯科医師会は『国民皆歯科健診』の実現と、その後のかかりつけ歯科医への定期受診の定着に向けて、広く発信している。人生の最後まで自分の口でおいしく食べることができる社会の実現を目指して、これからも取り組んでいきたい」と意欲を見せる。