朗読ライブ「ラジオドラマのような語り芝居」が1月12日、大江公民館(熊本市中央区大江6)で開催された。主催は、大江公民館、五福公民館、中央公民館。
「ストーリーテラー」の岡田かずえさんと肥後琵琶演奏者の岩下小太郎さんが、朗読と琵琶演奏で日本の文学作品の魅力を伝えようと上演した同ライブ。当日は44人が来場した。
岩下さんによると、肥後琵琶は今年で発祥350年という。18歳から肥後琵琶の世界に入ったという岩下さんによると、肥後琵琶奏者は現在、熊本県内に岩下さんを含め3人おり、全国では、京都に1人の合わせて4人が肥後琵琶奏者として活動しているという。
今回の演目は、小泉八雲の「雪女」と「耳なし芳一」。冒頭で、岡田さんは「小泉八雲の作品は、文章が簡潔で、子どもにも分かりやすい。語り芝居を通して、美しい日本語を感じてもらいたい」、岩下さんは「肥後琵琶は土くささのある地域に根差した音で自分の個性を出しやすいのが特徴。今日は越前琵琶を用意したので、それぞれの違いを楽しんでもらえれば」と話した。その後、「雪女」は越前琵琶、「耳なし芳一」は肥後琵琶の演奏に合わせて、岡田さんが朗読を行った。
来場者の松下かおるさんは「朗読は聞いたことがあったが、生演奏を含めた生語りは初めてだった。大好きな小泉八雲の作品を楽しめて感動した」と笑顔を見せる。
岩下さんは「熊本地震をきっかけに、文化の継承が必要だと改めて感じた。これからもさまざまな場面で肥後琵琶を知ってもらう活動を広げていきたい」と話す。