
小学生対象の体験授業が6月9日、製薬会社「KMバイオロジクス」(熊本市北区大窪1)で開催された。
明治ホールディングスの連結子会社で「ヒト用・動物用ワクチン」「血漿(けっしょう)分画製剤」を手がける同社。地域貢献と次世代への健康教育を目的に、2020年から体験授業を継続している。今回は池上小学校6年の児童42人が参加した。
体験授業は3部で構成し、1部のテーマは「病気や予防の方法について学ぼう」。同社広報課の小久保綾子さんが講師を務め、同社の仕事内容、風邪やインフルエンザにかかる仕組み、免疫やワクチンの仕組み、病気にかからないために大事にしたいことをクイズを交えながら解説した。
2部のテーマは「健康な体づくり」。骨の健康に必要なカルシウムやたんぱく質の摂取方法、バランスの取れた食生活の重要性を解説。講師はグループ企業の明治西日本支社(福岡市)の企画部ダイレクトリレーション 一課員で管理栄養士でもある長廣睦子さんが務め、プロスポーツ選手の食生活を例にするなど分かりやすく紹介した。そのほか、運動の大切さを伝える一環として、同社推奨の「ミルクで元気体操」を児童と一緒に行った。
3部では、インフルエンザワクチンが製造される工程を、実際の工場での見学を通して紹介。児童は厳格な衛生管理や複雑な製造プロセスに触れ、医薬品作りについて理解を深めた。
授業を受けた児童からは「赤ちゃんの時の骨が残っていないと聞いて驚いた」「栄養について考えたことがなかったので勉強になった」「ワクチン工場の中を見られてうれしかった」といった感想が聞かれた。
KMバイオロジクス広報課長の藤田洋一さんは「子どもたちが健康について関心を持ち、楽しみながら学んでくれて良かった。今回の授業が、日頃あまり意識しない『健康の大切さ』について考えるきっかけになれば」と話す。