熊本市内の日本福音ルーテル教会礼拝堂で5月17日・18日、アイヌ出身・知里幸恵(ちりゆきえ)の生涯を描いた一人芝居「神々の謡」が上演される。
芝居の題材「知里幸恵」は、1903(明治36)年、北海道登別出身。アイヌ民族であることやキリスト教信者であることで差別を受けながら、人と人、人と自然との共生を目指し、「カムイユカラ」(神謡)の翻訳によって、アイヌ民族やアイヌの伝統文化の復興を導いた女性。編著書「アイヌ神謡集」の校正後に19歳で急逝。著書はこれまで28の言語に翻訳されてる。2010(平成22)年には北海道登別市内に「知里幸恵 銀のしずく記念館」が開館している。今年は知里幸恵の没後100年に当たり、同時に「アイヌ神謡集」の誕生から100年となる。
同教会の牧師、安井宣生さんは「西日本では初めての公演。さまざまな形での対立や差別が無くならない私たちの世界で、自然を尊び、隔てを超えて共に生きることを100年前に『アイヌ神謡集』で示したアイヌの女性、知里幸恵さんにぜひ出会っていただければ」と話す。
上演は、熊本教会(熊本市中央区水道町1)=17日19時~、健軍教会(東区新生2)=18日13時30分~・19時~から。入場料は、大人=1,500円、学生=500円、中高生無料。