三井ガーデンホテル熊本(熊本市中央区紺屋今町)の新しい朝食メニュー「ミカン生絞りジュース」「新茶漬け」の提供が12月13日、始まった。
同ホテルと熊本学園大学との産学連携事業で取り組む「朝食改善プロジェクト」の一環で、テーマは「楽しみになる朝食」。同大学商学部・波積真理ゼミの3年生13人と共同で、同ホテルで提供する朝食の新メニュー開発に取り組んだ。
同プロジェクトは4月にスタート。月1回ほど、学生とホテル側でミーティングや他のホテルの朝食を食べるなどして研究を重ねてきた。学生は3班に分かれ、「ターゲット層」「コスト計算」「情報発信」などの視点から、それぞれが考案したメニューを7月に提案した。
提案したのは「ミカン生絞りジュース」「アサイーボール」「熊本県産真鯛(まだい)茶漬け」の3案と、ゼミ生の一人・新(あら)琴未さんが個人で考案した「新(あら)茶漬け」1案の合わせて4案。審査の結果、最優秀賞に熊本県産の果物を使い絞りたてを提供する「ミカン生絞りジュース」が、アイデア賞に熊本県産の米と全国2位の漁獲量を誇るマダイをメインとしたお茶漬け「新茶漬け」が、それぞれ選ばれた。採用された2案については試作を重ね、提供にこぎ着けた。
「ミカン生絞りジュース」を提案した班の那須成美さんは「学生生活では味わえない体験ができ、さまざまなミカンで飲み比べも行った。熊本の名産品を使うことで宿泊客に熊本の魅力を感じてもらうことも大切。各班で切磋琢磨したので、チームワークも向上したし、新たな視点も増えた。これから始まる就職活動にも生かしていきたい」と話す。
新さんは「今回の企画の話を聞いた時、苦手な分野だと思ったが、ここで手を挙げないとこれ以上成長できないと、思い切って参加した。プレゼンにも力を入れた結果、審査員に自分の気持ちが伝わってうれしかったし、安心した。この企画を通し培った経験を次につなげたい」と意気込む。
同ホテル宿泊支配人の小田純子さんは「朝食メニューには新しいアイデアを出してこなかった。今回の提案には社員からはなかなか出てこない学生ならではの視点が盛り込まれていて驚いた。プレゼンを見た社員も参考になったようだ。プロジェクトの価値を再認識できた。今後も産学連携事業をお客さまへのサービス向上につなげていきたい」と意気込む。
「ミカン生絞りジュース」の提供は12月27日まで。「新茶漬け」は当面提供を続ける。