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熊本城ホールで「犯罪被害者等支援講演会」 小さな行動で変えられる社会を

話を聞く参加者の様子

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 「犯罪被害者等支援講演会」が10月30日、熊本城ホール(熊本市中央区桜町)シビックホールで開催された。

講演会の様子

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 主催は熊本市生活安全課で、タイトルは「みんなで考える犯罪被害者支援~小さな行動で変えられる社会~」。犯罪被害者遺族による講演、犯罪被害者のパネル展を通じ、犯罪被害者等の置かれた状況について市民の理解を深め、その孤立を防ぐとともに、犯罪の加害者も被害者も生まない地域社会の実現につなげるのが狙い。市民計206人が参加した。

 冒頭で大西一史熊本市長が「犯罪被害者等の実情にかかる市民の理解促進や、支援策の充実を図りたい」とあいさつ。その後、熊本市生活安全課の担当者が、犯罪被害者支援に関する熊本市の取り組み、公益社団法人くまもと被害者支援センターなどの支援機関を紹介した。

 講演会は2部で構成。1部は「Coffee aid 2021」代表理事の深迫祥子さん。深迫さんは2019年7月、当時29歳だった長男の忍さんを交通事故で亡くした。忍さんが愛していたコーヒーにちなみ、2021年から「Coffee aid チャリティーイベント」と題し、コーヒーと命を考えるイベントを企画して、売り上げの一部を犯罪被害者支援に寄付している。講演では、突然子どもを失った悲しみと周囲から投げかけられた言葉、二次被害などと併せて、現在の活動についても紹介した。

 2部は「犯罪のない未来を創るために~心(むすめ)と共に~」と題し、2011(平成23)年に当時3歳だった長女の心さんを亡くした清水誠一郎さんが講演。娘を失くした保護者が感じたこと、家族の状況、ネット上での誹謗(ひぼう)中傷などの経験を紹介。同じような被害者や加害者を生み出さない社会を作るために大事にしてもらいたいことについて話した。

 会場には、くまもと被害者支援センター、公益社団法人被害者支援都民センター(東京都新宿区)の協力の下、犯罪被害者支援に絡むパネルを設置。カフェスペースも設け、「カーメストコーヒー」(北区植木町岩野)をはじめ、講演会の趣旨に賛同した「アパルトマン」(山都町)、「ジャンクションコーヒー」(東区錦ケ丘)、「熊本大学コーヒー研究会」の4団体がコーヒーを提供した。

 参加した熊本市東区在住の遠山椋さんは「犯罪被害に遭い、とても辛い思いをしている遺族に信じられないような言葉をかける人がいることを知って、困惑するとともに怒りも覚えた。普段の生活をもっと大事にしたいと思うとともに、自分にできる行動を行いたい」と話す。

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